みなさん、空気、読んでますか?
空気を読むっていうのは、本当に空気に何かが書いてあるわけではなくて
コミュニケーションにおいて、その場の雰囲気を読み取るっていう意味の俗語のことです。
要するに、
ちゃんと周囲と調和できてますか?
っていうことです。
僕はね、空気が読めるんですよ。
もうね、めちゃくちゃ読めます。
進研ゼミで予習した後の英文くらい読めます。
本当ですよ。
読めない意味がわからないです、もはや。
もう読めすぎてむしろ書けちゃう。
空気を書いたあと、書いた空気で読み聞かせしちゃう。
そのくらい俺は空気が読める。
そんなガッツンガッツンに空気が読める僕の身に、数年前に起こった出来事の話を
今日はみなさんに聞いていただこうと思います。
ある日バイトが終わった後、従業員同士で雑談をしていたんですよ。
その場にいたのは、僕と、学生さんと、社員さんが二人だったかな。
僕は奥ゆかしいから、あんまり喋らずに隅っこのほうで聞き役に徹してたんですよね。
決してコミュ力が低くて輪に入れなかったとか
そういうんじゃないですからね。
いや、本当に違うから、マジで。
奥ゆかしさが故だから、マジで。
で、まぁ、学生さんが、普段どんな勉強をしてる~とか
将来はこういう職業に就きたい~とか
そんな希望溢れる素敵な話を、その場にいたみんなで聞いていたんですけど
聞くところによるとその学生さん、数か月後に留学をする予定だっていうじゃないですか!
ほあ~、いいですね~~留学。
さぞかし素敵な勉強をさせるんでしょうね~~。
今これを勉強していて、どこどこの国のどこどこにある学校では
それが盛んに研究されているから、そこに何か月いって~~
とか、そんな話をしているんですわ。
ま~~羨ましくて。
僕みたいな、勉強なんかまったくできねぇどころか、そもそもしてもいなかったハイパーお馬鹿さんからすると
もう本当にキラッキラなんですよ。
社員さんたちも、いいねいいね~~っつって盛り上がっちゃって盛り上がっちゃって。
そしたらまぁなんか、こう。
これほんと、僕の悪いところなんですけど
悔しいじゃないですか。
僕だってね
ちやほやされたいんですよ。
でも、僕は留学なんてしたことないから、張り合えるエピソードもないし
どうしようと思って。
よし、そうだ。ここはひとつ
ウケを取ろう。
そう思ったんですよ。
知で勝負できないならば、笑で仕掛けるのみ。
もう俺にあるのは笑いしかねぇ!!
いけぇ決めたれ!!ハイパーギャグでドッカンドッカン、大逆転や!!!!!
そう思って
僕はさっきまであんま喋ってなかったくせに
おもむろに口を開いて、こう言ったんですよ
「いや~~~~、やっぱあれですよね~なんか
留学します!っていうと、それだけで賢そうに見えますよね~
僕も留学の予定が~~とか言ってみようかな!留学の予定なんかないけど!笑」
って。
そしたら、ま~~~~~~
えっっっっっっっらいスベりまして
もう
シーーーーーーーーーン
ですわ。
全員、今この瞬間に親戚が死んだのかと
インスタントお通夜なのかと
もう、そのくらいの無風でしたわ。
永遠に続くかと思われた沈黙の後
社員さんに
「……いぐざむさんはなんか、闇が深いね」
って言われました。
どういう意味だよ!!!!!!!!
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
もう宇宙に行ってやる~~~~~~~~~~~!!!!!
Q.宇宙に行ってやる、な~んでだ?
A.空気がないから
チャンチャン♪
―完―