辛いものが苦手だ。
苦手というより体質的に受け付けられないといったほうが正しい。
人が「あー、ちょっと辛い感じだけはあるねぇ」くらいで涼し気に食べている物を、自分だけ汗だくで苦しみながら食べているということがよくある。
この例でどのくらいの人に伝わるかは分からないが、具体的にいうと、ココイチの甘口のカレーでもちょっと辛いなと思うし、松屋のカレーは辛すぎて食べられない。ファミマのスパイシーチキンでも食べ終わる頃にはこめかみから汗が滴り落ちている。
まぁ汗をかくだけならいいが、気分が悪くなって食事どころではなくなってしまうことがほとんどなので、やはり体質に合ってないんだと思う。
辛いものが苦手と言ったが、よく考えてみると、辛いもののみならず日常で起こるあらゆる刺激に対しての耐性がない。
ホラー映画はもちろん観られないし、人が物理的に痛い目に遭うやつもだめ。
自室で女の子と2人きりで怖い映画を観よう!ということになり、ゲオで借りてきた「SAW」(有名スプラッタ映画)を再生したはいいが、開始6分で耐久の限界を超えたためギブアップしたことがある。女の子とのロマンスを天秤にかけてでもダメなのだから、もう何をしてもダメだろう。
大きい病気とかケガとかもしたことがないから、いざそれが自分の身に降りかかったとき耐えきれる自信がない。
よく創作の世界では、金持ちのおボンボンみたいなやつが、ちょっとケガをしたくらいで
「う、うわぁぁぁぁ!!!血だぁぁぁ!!!!怖いよぉぉぉ!!父上!!!母上ぇぇぇ~~~~~!!!」
とか言って狼狽えるシーンがあるが、たぶんリアルであれをやると思う。
自分でいうのもなんだが、親には結構甘やかされて育ったし
大人になって物事を自分で判断するようになってからも、ちょっとでも嫌だな辛いなと思ったことからは180°クイックターンからの全力疾走、緊急回避で対処してきた。
結果あらゆる刺激に耐えられない軟弱アラサーフリーターが世の中に爆誕したわけだ。
楽に生きてこられてよかったと思う反面、これから起こるかもしれない人生の困難に立ち向かうだけの力が無くて詰むのでは?という不安もある。
苦しんで育ったほうがいいとは思わないが、ある程度の負荷やストレスは健全な成長のために必要なのかもしれない。
これを読んでいる育児世代のみなさまに置かれましては、このような脆弱生物を社会に誕生させないためにも
産湯はカレー、アンパンマンの代わりに貞子、習い事はパルクールやモトクロスバイク、などの英才教育を施すことを検討してみてはいかがだろうか。
─完─